この記事は、義務教育に疑問をもつ人のために書かれたものです。
あなたが見つけたその小さな疑問は、自身の自立した学びを継続させていくためのエンジンになるはずです。

教育には、本音と建て前があります。
その本音に気付き始めた人は、1つの義務教育の問題から自分が生きる上での学びになり、新たな価値へと変わるかもしれません。

『そうだ!分かる人には、分かる!』という思いで綴ります。

では、本題へ。

 

 

義務教育問題その47

『保幼小連携・スタートカリキュラムを強化する理由と背景。』

 

 

 

日本は、小学校入学までは、義務教育ではないので、幼児は様々な生活体験を経験しています。
このように多様な生活経験を積んだ人達が、一挙に集まり、協同生活し、生活する場が義務教育のはじまりです。

同じランドセルを背負い、同じ道具箱をもち、「1人1つ」を原則として同年齢集団の生活がはじまります。
小学校では主に、「生活科」という教科が位置づけられています。

しかし、昨今、保育園や幼稚園、こども園などで類似した生活経験を積んでいる子供が多く、
共同生活を学ぶ時期が早期化してきたのです。

もちろん、保育は保育園保育指針、幼稚園は幼稚園教育要領に基づき運営されているので、
根本的な考え方は異なります。

それでも、初等教育では、「同化」していかなくてはなりません。

その間での「連携」が盛んに行われてきています。

つまり、「義務教育」に入るための「準備期間」と、捉えられる傾向が強くなってきているということです。

 

 

 

それは、一見よいことにように思えますが、幼児期に体験し、経験してほしい本来の気付きや感性の開花が
ないままに、義務教育に入るというデメリットもあります。

私は、そこに大きな問題があると思っています。

なぜなら、幼児期は、生涯にわたり人の人生を左右するくらい重要な時期だからです。

その時期にしか培うことができない経験があります。

 

日本の保育、幼児教育とは、これまで初等教育と連携しているようで、連携していませんでした。

同様に、いくら小中一貫だとしても、それらが機能して実質、機能し、連携することはありません。
(だから、今回の新学習指導要領で盛んに言われているのです。)

その理由は2点あると私は考えています。

1つは、学習指導要領、教育常識に生まれるダブルスタンダードが生まれること。
2つめは、1人の教師がもつ人の成長観や発達観の幅が狭く、断片的にしか人の成長を見守ることができず、
16年間を一貫して見られるという事はとても稀であること。

 

 

このような連携が盛んに行われようと「スタートカリキュラム」が実施されています。【以下のニュース記事】
スタートカリキュラムとは、遊びや体験活動が中心の幼稚園など幼児教育から、教科による授業が中心となる小学校へと、
円滑に接続するためのカリキュラムのことを言います。

「スタートカリキュラム」を「生活科」を通して、学校という場所へ慣れるための接続が意識的に行われています。

保育、幼児教育と、初等教育の大きなギャップは、遊びや生活体験を通して、学習していた過程が、一気に教科化、評価化されることです。

その子なりの工夫や、気付きではなく、一定の規準値のもと、正解、不正解と2極に分かれる思考が作られていきます。

その土台となるのは、ローカルルールの徹底と、集団行動(周囲と価値観をそろえていくこと)です。

 

教育界の常識のなかに、なんとなく「上に揃える」という価値観があります。

 

人は、生涯にわたり、体験や経験から気付き、学び続けるものだと考えています。

そして、特に、幼児教育、保育には、日本は特に『質の高さ』を求めることが優先です。
特に、現代は、質より量に優先が向く時代ですが、質が重要です。

 

日本の大学、高校、中学、小学校は、質の高い幼児教育、保育から学ぶことがあります。

上に揃えるという価値ではなく、それぞれが本質的な連携ができる環境を模索することです。

 

 

その時に、今、自分がいる場所から以下の三つの問いを自分自身に投げかけてみてください。

子ども達は、いつから、他者評価規準で、自分を見つめるようになったのでしょうか。

常識や既存のルールから、離れることは、死を意味するほど、恐ろしいと感じるようになったのでしょうか。

どうして、若年層の自殺率がこれほどにも高いのでしょうか。

 

世界の幼児教育から、小中高大も、学ぶ必要があります。

子どもの学びは、生活のなかから、自分で経験してはじめて価値付けられます。

自分で経験し、状況から、気付き、学ぶ方法以外に、ベストな方法はないのです。

「連続せよ。」「接続せよ。」という裏側には、「分断されている。」ことを意味しているのですから、
そもそも、義務教育には、人の一生涯を見据えて、学ぶシステムではないことに気付かされます。

 

 



http://幼稚園・保育所の学びが小学校の基礎に

2017.5.19産経ニュース

「スタートカリキュラム」「アプローチカリキュラム」という言葉をご存じでしょうか。

遊びや体験活動が中心の幼稚園など幼児教育から、教科による授業が中心となる小学校へと、円滑に接続するためのカリキュラムのことです。

これについて国立教育政策研究所は「幼小接続期の育ち・学びと幼児教育の質に関する研究」という報告書をまとめました。幼児教育を小学校以降の教育の基礎と位置付けているところが、大きなポイントです。

適応指導から幼小接続の重視へ

これまでも幼児教育から小学校教育の接続は大きな課題であり、さまざまな議論がなされてきました。その中で議論されてきたのが、入学したばかりの小1が小学校での学習に慣れることができるようにするためのスタートカリキュラムです。しかし、これまでは、幼稚園から小学校の生活に適応させることに主眼が置かれており、いわば「小1プロブレム」対策という意味合いが強いものでした。

これに対して、次期の学習指導要領(小学校は2020<平成32>年度から全面実施)と幼稚園教育要領(18<同30>年度から全面実施)は、幼児期と児童期の教育の連続性・一貫性を強調しており、幼稚園などでの教育と、小学校低学年での教育の目標を「学びの基礎力の育成」と位置付けています。そこで重視されるのが、幼小接続期カリキュラムです。

同研究所は、幼小接続期カリキュラムのうち「幼児期の学びが小学校の生活や学習で生かされてつながるように工夫された5歳児のカリキュラム」をアプローチカリキュラム、「小学校入学後に実施される合科的・関連的カリキュラム」をスタートカリキュラムと説明しています。

具体的に言えば、幼稚園などと小学校が連携して、幼稚園などで5歳児後半にアプローチカリキュラムを実施したうえで、小学校では入学後直後にスタートカリキュラムを実施することになります。

 

幼児教育を小学校以降の教育の基礎に

次期幼稚園教育要領では、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿として、「健康な心と体」「自立心」「協同性」「道徳性・規範意識の芽生え」「社会生活との関わり」「思考力の芽生え」「自然との関わり・生命尊重」「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」「言葉による伝え合い」「豊かな感性と表現」の10項目を示しています。一方、小学校の次期学習指導要領では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を踏まえた指導を工夫することにより、幼稚園教育要領等に基づく幼児期の教育を通して育まれた資質・能力を踏まえた教育活動を実施」するよう求めています。

これについて同報告書は、幼稚園などと小学校の教員の間で、「5歳児修了時の姿が共有化されることによって幼児教育と小学校教育との接続が一層強まることが期待されている」としています。

これまで「小1プロブレム」への対策として、幼稚園から小学校への適応に主眼が置かれがちだったスタートカリキュラムですが、次期学習指導要領では、幼小接続という観点から、幼児教育と小学校以降の教育の連続性が強まりつつあります。それは、幼児教育がそれ以降の教育の基礎であることを意味しており、これまで以上に幼児教育の重要性が増しているのです。