この記事は、義務教育に疑問をもつ人のために書かれたものです。
あなたが見つけたその小さな疑問は、自身の自立した学びを継続させていくためのエンジンになるはずです。

教育には、本音と建て前があります。

『そうだ!分かる人には、分かる!』という思いで綴ります。

では、本題へ。

 

 

 

義務教育問題その29

『フィンランド16歳から全教科廃止で2020に向けて領域横断型で総合的に学ぶシステム導入へ。』

 

 

学校の『教科制』について、私は、問題視しています。

理由は、日本の教育が知識獲得に片寄っていることで、
子供の思考、能力の知性や感性を伸ばすことに、全く目を向けていないことです。

そして、この「教科制」が、1人1人違う人格の人間を、同じようにしていくことに貢献しているのです。

本当であれば、人との違いを活かし、子供が自分で気付き、自分の能力を高めていくことのできる環境を整えることが義務教育の役割だと私は思います。

 

そもそも、初等教育から教科制が始まりますが、これらは児童の思考を分断し、ロボットでなくては学習できないシステムなのです。

教科制については、これまで5つの記事を挙げましたので、参考にしてください。

義務教育課程の『教科制』では育まれない『知性』と『感性』
義務教育問題その9『学問は単独では成り立たないにも関わらず、学校の教科では単独で成り立つ理由。』
【新学習指導要領】カリキュラム・マネジメントと教科横断的教育活動&研究授業を終えた教師の心境。
教科書には無い日常の出来事が人を育てる「家庭と地域と時々、先生」
義務教育問題その19『義務教育システムは、日本特有のものなのか?』

さて、日本が、AI,ICT教育、英語、プログラミング教育に向けて環境整備を進めているなかで、フィンランドは異なる動きを見せています。
本記事では、フィンランドの教育の今と日本の教育の今を比較しながら考えていきましょう。

フィンランドの16歳から全科目を撤廃し、領域横断型で現象やイベントを総合的に学ぶ教育システムを導入について、
森 一貴氏( http://dutoit6.com/1031 たまのもり ブログ)で、日本語翻訳を挙げておられたので、参照したいと思います。
(以下一部引用)

まずは、下記記事の翻訳をお読みください。


 

Finland Will Become the First Country in the World to Get Rid of All School Subjects
https://brightside.me/wonder-curiosities/finland-will-become-the-first-country-in-the-world-to-get-rid-of-all-school-subjects-259910/

概要

フィンランドでは、16歳から全科目を撤廃し、領域横断型で現象やイベントを総合的に学ぶ教育システムを導入することを決定した。このシステムは、2020年までに完全に導入される。

全訳

フィンランドは、全ての「科目」を撤廃する世界初の国になる。

https://brightside.me/wonder-curiosities/finland-will-become-the-first-country-in-the-world-to-get-rid-of-all-school-subjects-259910/

フィンランドの教育システムは、世界最高峰だと考えられている。国際比較では、常に上位10カ国に入るほど。しかしながら、当局はその現状にまだまだ満足しておらず、教育システムの真の改革を実行することを決めた。

フィンランド政府はカリキュラムからの「科目」の撤廃を検討している。物理、数学、文学、歴史、地理といった授業が存在しなくなるのである。

ヘルシンキの教育庁長官であるMarjo Kyllonenがこの変革について語った。

「1900年代初頭には機能していた、旧態依然としたシステムに則って教育を行っている学校が存在する-しかし、教育ニーズは変化している。私たちは21世紀にフィットする何かを求めているのだ。」

個別科目の代わりとして、生徒は領域を横断した形で現象やイベントを学習することになる。例えば、第2次世界大戦は、歴史、地理、数学の観点から試験を課される。そして「カフェでの仕事(?)」のコースを受ける場合は、生徒は英語、経済、コミュニケーションスキルといった、総合的な知識を吸収することになる。

そのシステムは16歳、高校生から導入される。その基盤には、生徒は、生徒自身が考える未来への夢や能力に従い、生徒自身が学習したい事柄を選ぶべきだという考えがある。この場合では、物理や化学の全てのコースを受け切る生徒はいなくなる。代わりに彼らは「何のためにこれを知りたいのか?」に徹底的に向き合うことになるのだ。

先生と生徒の伝統的なコミュニケーションの形式も、同様に変化していく。生徒は学習机に座り、先生に指されるのにびくびくする存在ではなくなる。代わりに、生徒は問題を議論する小集団を作り、共働することになる。

このフィンランドの教育システムは集団での学習を導き、その変化は教師にもまた影響を与える。この学校改革により、異なる科目の教師間で多くの協力が必要となるだろう。ヘルシンキの約70%の教師は、発表された情報に従い、新システムに向けて既に粛々と準備を始めている。結果として、教師は向上するだろう。

この変革は、2020年には完了すると見込まれている。


いかがだったでしょうか。

きっと、読者の皆さんなら、すでに考えをおもちだと思いますが、
ここでは、上記のヘルシンキの教育庁長官の話しを受けて、3つの点に絞って私の考えを述べます。

 

1.16歳から全科目を撤廃し、領域横断型で現象やイベントを総合的に学ぶ教育システムを導入

日本でも、教科横断型で学ぶ、探求型の総合的な学習に時間が位置づけられています。
しかし、日本全国の小中学校で、機能している学校は稀でしょう。

理由は、他教科との違いや、教師がその教科の位置づけと価値を分かっていないからです。
例え分かっていたとしても、3年~10年単位で学校を移動する教師にとって、継続して地域と関わることが難しいという面もあります。
もう一つの理由は、時間割という教科時数に課題があります。

日本の教育課程は盛り込みすぎです。

そこに加え、2020教育改革では、英語、プログラミング教育などを盛り込み、さらに教育現場は圧迫されます。

このように、教科制を廃止しても、時間の使い方、教師のファシリテーション(あり方)などの課題があります。

 

 

2.個別科目の代わりとして、生徒は領域を横断した形で現象やイベントを学習することになる。
その基盤には、生徒は、生徒自身が考える未来への夢や能力に従い、
生徒自身が学習したい事柄を選ぶべきだという考えがある。


日本でもそのことは、よく議論されます。
しかし、私は教師間で議論をしていて、「教科横断」という概念を作り、そこを基盤にしているところに問題があると思います。

そもそも、「教科横断」と考えるのは大人だけであり、子供の思考はずべて繋がっているということにも目を向けていくことです。
彼らにとっては、それが常識で当たり前なのです。
子供の思考が途切れたり、次々と切りかえられたりすることはありません。

子供を見ていると、認知の仕方は、人それぞれ異なります。
視覚、聴覚、言語など多様に分かれています。


同様に、人は、知識を使ったり、関連づけたりする能力は、
様々な生活の中での状況で学んでいきます。

子供は、自分からその状況に向き合い、ピタッとチャンネルが合うようにして自分で学習していくことができます。

この状況を、「自ら選択している」と言えると思います。

教師が、ABCの中から1つを選びなさいというのは、選択の内に入っていないことを認識しておくべきです。

 

義務教育で、一番重要なことは、1人1人違う人格の人間を、同じようにしていくのではなく、
違いを活かし、自分で気付き、自分の能力を高めていくことのできる人が育つ環境を整えることです。

 


3.先生と生徒の伝統的なコミュニケーションの形式も、同様に変化していく。
生徒は学習机に座り、先生に指されるのにびくびくする存在ではなくなる。
代わりに、生徒は問題を議論する小集団を作り、共働することになる。


子供と教師の関わりが変わります。
私も、それが望ましいと考えています。

例え、教科制を廃止しても、より高い専門性をもったプロフェッショナルは必要です。
私は、学校を越えて、誰もが子供の教育に当たれるようにすることができると考えています。

そして、現場の教師の役割は、彼らと子供との出会いの場を作り、
それらの時間単位の授業がイベントではなく、学習に繋がるようにその前後の学習環境を計画立て、整えていくことです。

このように、教師の仕事は変わっていきます。

なぜ、そのような時間と役割が必要かというと、子供の学習が日常に根ざし、小さな疑問や発見から、
個人の内に、好奇心、情熱、探求心が湧き出た時にしか学習は成り立たず、価値の高いものにならないからです。

 

 

つまり、長年、「教科制」として、プロを1人の教師が担っていたところを、
本当にその分野を極めた人物「プロフェッショナル」に委ね、教師は、繋いだり、気付かせる役割としてコーディネートする立場になるのです。

従来は、教師と生徒の間の2往復から、教師と生徒とプロのトライアングルの関わりになるように、
教育の次元を上げていくことができると、私は考えています。

 

最後に、みなさんは、この教科制についてどのようにお考えでしょうか。
ぜひ、自身の考えをコメント欄にアウトプットし、ご意見をお聞かせくださいませ。