教育改革、学習指導要領改訂に向けて、学校、学級の在り方が、少しずつ変化していきます。

本記事では、『カリキュラムマネジメント』に焦点を当て、『教科横断型』の教育活動について考えていきます。

 

(1)カリキュラムマネジメントと教科横断型の教育活動

このような変革は、急に起こるものではなく、水面下に着々と進められていて、
「そういえば、昔は・・・」と人々が振り返るようになった頃に、完成していると言えるのです。

教育界では、今現在の状況を解りやすく述べると、今後の教師の指導の指針となる分厚い資料が作成されていて、
教師自身が、それをもとに学び、実践に落とし込んでいくのが、ここ数年で行われることです。

そして、それらが波及し、社会へ影響しだすのは、後、30年後のことです。
つまり、今、私たちは、2057年の社会の姿を想像し、予測し、教育に当たっていることになります。

この指針となる『学習指導要領』は、各教科ごとに出されます。
そして、この学習指導要領等に基づき教育課程を編成し、どのようにそれを実施・評価し改善していくのかという
「カリキュラム・マネジメント」と呼ばれているものです。

文科省によって出されたhttp://4.学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策
カリキュラムマネジメントの視点を2つ挙げます。

①教育課程とは、学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を子供の心身の発達に応じ、
授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画であり、その編成主体は各学校である。

今回の改訂が目指す理念を実現するためには、教育課程全体を通した取組を通じて、
教科横断的な視点から教育活動の改善を行っていくことや、学校全体としての取組を通じて、
教科等や学年を越えた組織運営の改善を行っていくことが求められており、

私は、義務教育課程において、1つ屋根の下で、日本の児童生徒を育てているにも関わらず、
この『教科制度』が、教師間の思考の差を生み、比較し、対立する姿を生み出していると考えています。

そのために、今回『教科横断的な視点』で教育活動の改善を図ることが言われています。

この視点は、表すとわずか8文字ですが、実際は万里の頂上の如く、そびえ立ち、分けられている『教科』
において、そのフィールド内に踏み入り、壁を壊していくという作業が必要なのです。

具体的には、
・1人の教師の分断型思考。
・時間。
・教科における各研究。

教科においては、それぞれの巨匠という人達が存在していた教育の名残で、
『〇〇科においては~』
『〇〇科と〇〇科の違いは。』などにおいて、互いに評価し、思考を縛り合ってきたのではないでしょうか。

小学校も、中学校教師も、それぞれの「専門教科」をもっている人がほとんどです。

例えば、小学校教師の場合、どの教科も担任が行います。
もし、国語科が専門だとすると、その国語科を軸として、他教科との違いを明確にしながら、
学級経営のベースは、言語活動などと教科の特色を生かす場合もあります。

私たちは、「教科書を教える」のではなく、「教科書というツールを使って教える」のです。
それ自体(活動)が目的となっている場合がありますが、それはナンセンスです。
重要なことは、その活動を通して、どんな能力が身に付いたかという視点です。

そのための手段を、クリエイトできる発想力、転換力、行動力が必須になってくると私は予測しています。

いつまでも、教育の型にはまり、先行実践、先行事例ばかりを見ていても、前へ進むことはできません。

今、まだ手段が確立されていないからこそ、ここに知恵を絞っていく価値があるのです。

教育環境もICT化、IoT化にむけて整えられています。それを、どう活用するか。
必要な時、必要ではない時。
それを、取捨選択して、子どもたちの教育活動を練っていくことです。

 

 

(2)最近の研究授業の振り返り

先日、1年のうちの一番のピークを終えました。
やはり、研究授業した者だけが分かる、手応えというものはあります。

どれだけ、後から講評、指導して頂いても、この手応えに勝るものはありません。
しかし、その講評があるから、自分自身のなかにあった疑問や気付きがされに深められるのです。

翌日、私が教師3年目のころに見た、尊敬している教師の授業を見に行く機会に恵まれました。
当時と変わらず、やはりすごい!と子どもの様子を観察しました。

確実に新しい気付きがあり、イメージできる幅が広がっていました。
教科横断型という視点で見ると、新しい方向を模索し始めている自分にも気付きました。

同日、異なる教師の実践で、教科横断型の国語科を見ました。どちらも、総合的な学習の時間がベースとなるものです。
そのなかで、私が一番学んだ点は、『各教科のねらいを明確にすれば、横断は可能である。』と実践イメージが沸いてきたのです。

それぞれの教科の特徴をしっかりと把握し、身に付ける能力を差別化し、捉えていけば、
実務場での経験を豊かに生かし、子どもの能力を支える出来事になります。
それが、自ずと、それぞれの教科の能力を高めることに繋がるのです。

その体験や経験は、できるだけ本物であり、生きる生活と繋がっているものを用意することです。
また、教育課程において学校の特色である特別活動と合わせて『取り組み』にしていくこともできます。

いい授業を見て、いい実践が重ねられます。
いつも、教師は、ベストな状態を心に描いて学級を経営します。(もちろん、危機管理、安全第一です。)

今回の研究授業を終えて、私の中で、1つ、新しいかたちが、イメージできました。
この物理的環境の制約があるなかで、やっていくこともまた、面白みがあるのかもしれません。

しかし、実際には、純粋に子どもをのことを思った実践を続けていくことは不可能に近いです。
本物の教育実践家であり続けることは、この義務教育現場では、とても難しいことです。

そのために、何かを捨てなくてはならないのです。いま、まさに私はそこに直面しているのだと思います。
これが現実であり、これがリアルな義務教育問題でもあります。

 

以下、10年後の自分に対して問います。

教師として、どう在りたいか。

私は、教師として正しく、やさしく、そして美しく、在りたいです。

これまでは、自分の成長が、子どもの成長に還ると思っていたので、必死になって学んできました。
そして、この向上心は、誰にも負けないと自負していました。
同時に、謙虚さを忘れずに、いつも諸先輩方からも学んできました。

ここで1つ区切りをつけて、自分自身だけのために学ぶことは、辞めにします。
私を含む、全体の教師が成長しなくては、日本の教育は、よりよく変わることはありません。

自己成長の先には、やはり、教師としてカリスマ性のある人格にはなれるかもしれません。
多くの児童生徒が、ついてくるかもしれません。
〇〇学級!と言われるかもしれません。

でも、それは、私にとってのいい教師ではありません。

私は、自分がいなくなった後も、出会う児童生徒には、また別の師を見つけ歩み出し、
自分自身が自立できるように、自分で自分を高められる人になってもらうことが理想です。
だから、いつも、その子の心の背景にいてはいけないのです。

自分の成長のために投資した時間や物資は、今の自分を築くためには必要であったけれども、
私は、ここに執着する必要もありません。

私と共に成長している子どもたちが、1人1人、輝けるように。
志同じくし、教育を担う若手が純粋に実践を重ねられるように。

その人自身の居場所で輝けるように。

私は、自分ばかりを照らし続けることをやめて、周囲を照らし続ける教師でありたいです。

そして、間違ってはならないことは、誰かのためにお節介をやくことではありません。

真の思いやりややさしさを学びながら、地球に住む子どもたちを育てられるように、日々、精進していきます。

 

 

 


http://4.学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策

文科省HPより

 

(1)「カリキュラム・マネジメント」の重要性

  • 教育課程とは、学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を子供の心身の発達に応じ、授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画であり、その編成主体は各学校である。各学校には、学習指導要領等を受け止めつつ、子供たちの姿や地域の実情等を踏まえて、各学校が設定する教育目標を実現するために、学習指導要領等に基づきどのような教育課程を編成し、どのようにそれを実施・評価し改善していくのかという「カリキュラム・マネジメント」の確立が求められる。
  • 特に、今回の改訂が目指す理念を実現するためには、教育課程全体を通した取組を通じて、教科横断的な視点から教育活動の改善を行っていくことや、学校全体としての取組を通じて、教科等や学年を越えた組織運営の改善を行っていくことが求められており、各学校が編成する教育課程を核に、どのように教育活動や組織運営などの学校の全体的な在り方を改善していくのかが重要な鍵となる。

三つの側面

  • こうした「カリキュラム・マネジメント」については、これまで、教育課程の在り方を不断に見直すという下記2.の側面から重視されてきているところであるが、「社会に開かれた教育課程」の実現を通じて子供たちに必要な資質・能力を育成するという新しい学習指導要領等の理念を踏まえ、これからの「カリキュラム・マネジメント」については、以下の三つの側面から捉えられる。
    1. 各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと。
    2. 教育内容の質の向上に向けて、子供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立すること。
    3. 教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること。

教育課程全体を通しての取組

  • これからの時代に求められる資質・能力を育むためには、各教科等の学習とともに、教科横断的な視点で学習を成り立たせていくことが課題となる。そのため、各教科等における学習の充実はもとより、教科等間のつながりを捉えた学習を進める観点から、教科等間の内容事項について、相互の関連付けや横断を図る手立てや体制を整える必要がある。
  • このため、「カリキュラム・マネジメント」を通じて、各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、必要な教育内容を組織的に配列し、更に必要な資源を投入する営みが重要となる。個々の教育活動を教育課程に位置付け、教育活動相互の関係を捉え、教育課程全体と各教科等の内容を往還させる営みが、「カリキュラム・マネジメント」を支えることになる。
  • 特に、特別活動や総合的な学習の時間の実施に当たっては、カリキュラム・マネジメントを通じて、子供たちにどのような資質・能力を育むかを明確にすることが不可欠である。

学校全体としての取組

  • 「カリキュラム・マネジメント」については、校長又は園長を中心としつつ、教科等の縦割りや学年を越えて、学校全体で取り組んでいくことができるよう、学校の組織及び運営についても見直しを図る必要がある。そのためには、管理職のみならず全ての教職員がその必要性を理解し、日々の授業等についても、教育課程全体の中での位置付けを意識しながら取り組む必要がある。また、学習指導要領等を豊かに読み取りながら、各学校の子供たちの姿や地域の実情等と指導内容を照らし合わせ、効果的な年間指導計画等の在り方や、授業時間や週時程の在り方等について、校内研修等を通じて研究を重ねていくことも考えられる。
  • こうした「カリキュラム・マネジメント」については、管理職のみならず、全ての教職員が責任を持ち、そのために必要な力を、下記(2)に示す支援方策等を通じて、教員一人一人が身に付けられるようにしていくことが必要である。また、「社会に開かれた教育課程」の観点からは、学校内だけではなく、保護者や地域の人々等を巻き込んだ「カリキュラム・マネジメント」を確立していくことも重要である。

「アクティブ・ラーニング」の視点と連動させた学校経営の展開

  • なお、2.(3)2.に示した「アクティブ・ラーニング」は、形式的に対話型を取り入れた授業や特定の指導の型を目指した技術の改善に留(とど)まるものではなく、子供たちの質の高い深い学びを引き出すことを意図するものであり、さらに、それを通してどのような資質・能力を育むかという観点から、学習の在り方そのものの問い直しを目指すものである。また、「カリキュラム・マネジメント」は、学校の組織力を高める観点から、学校の組織及び運営について見直しを迫るものである。
  • その意味において、次期改訂に向けて提起された「アクティブ・ラーニング」と「カリキュラム・マネジメント」は、授業改善や組織運営の改善など、学校の全体的な改善を行うための鍵となる二つの重要な概念として位置付けられるものであり、相互の連動を図り、機能させることが大切である。教育課程を核に、授業改善及び組織運営の改善に一体的・全体的に迫ることのできる組織文化の形成を図り、「アクティブ・ラーニング」と「カリキュラム・マネジメント」を連動させた学校経営の展開が、それぞれの学校や地域の実態を基に展開されることが求められる。

教育課程の実施状況の把握

  • 教育課程を核に、教育活動や組織運営の不断の見直しを図っていくためには、子供たちの姿や地域の現状等を把握できる調査結果や各種データ等が必要となる。国、教育委員会等及び学校それぞれにおいて、学習指導要領等に基づく教育課程の実施状況を定期的に把握していくことが求められる。

(2)学習指導要領等の理念の実現に向けて必要な支援方策等

  • 先を見通すことが難しい社会の中で、新しい社会の在り方を創造することができる資質・能力を子供たちに育むためには、教育に携わる教員一人一人の力量を高めていく必要がある。

教員への国際的評価と課題

  • 我が国の教員に対する国際的な評価はもともと高く、特に、各教科等における授業改善に向けて行われる多様な研究に関しては、海外からも極めて高い関心が寄せられている。とりわけ、各学校における教員の学び合いを基調とする「授業研究」は、我が国において独自に発展した教員研修の仕組みであるが、近年「レッスン・スタディ」として国際的な広がりを見せている。
  • こうした従来の強みを生かしつつ、これからの教員には、学級経営や幼児・児童・生徒理解等に必要な力に加え、教科等を越えた「カリキュラム・マネジメント」のために必要な力や、「アクティブ・ラーニング」の視点から学習・指導方法を改善していくために必要な力、学習評価の改善に必要な力等が求められる。教員一人一人が社会の変化を見据えながら、これからの時代に必要な資質・能力を子供たちに育むことができるよう、教員の養成・採用・研修を通じて改善を図っていくことが必要である。
  • 教員養成・採用・研修の改善のために必要な改革等の方向性については、中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会が取りまとめた「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について(中間まとめ)」(※1)においても示されているところである。この中では、国、教育委員会、学校、大学等が目標を共有して互いに連携しながら、次期学習指導要領等に向けて教員に求められる力を効果的に育成できるよう、教員に求められる能力を明確化する教員育成指標や、それを踏まえた研修指針の策定などが提言されているところである。教員研修自体を、主体的・協働的な学びの要素を一層含んだものに転換していこうとする提言なども含まれており、今後とも、下記5.において示される新科目の設置等を受けた対応も含め、教育課程の改善に向けた議論と歩調を合わせて具体化していくことが求められる。